月型アプリ2、プロローグ
誠意作成中!

「あーヤバイなぁ…完全におそくなったよ…」

外は完全に暗くなっていた。
今日は有彦に付き合わされて、気づいたらもう9時。
とっくに門限なんて過ぎていた。

「帰ったら秋葉の小言かぁ…あぁ…なんか帰りたくなくなってきた…」

「いいえ。あなたは今日帰る必要はない」

「…!?……それはどういうことだ?」

「言った通りですよ。あなたはここで私に殺されるのですから」

飛ぶように後方へ下がり、敵との間合いを広げる。
相手がどんなものを隠し持っているかわからない以上、近くに行き過ぎるのはマズイからだ。

「ふふ…そんなに距離を持っていいのですか?」

後ろに手をやったかと思うと、そこから身の程もある剣が出現した。
その刀身は太く、持ち上げるので精一杯なくらいだ。
それをなんなく振り落とした瞬間。

反転した。

一瞬、状況が理解出来なかったが今理解した。
俺は巻き上げられていた。
なんにでもない。風に、だ。
そして、まっ逆さまに地面へ向かう俺。
100メートルくらいあるだろうか。
…てかこのまま死ぬのか?俺。

刹那。
また視界が反転した。
あー。死ぬのこれで何度目だろ?
とか考える今日この頃。

「ふん…ようやく姿を現したか。化け物」

「あなたに言われたくはないわね。フォースマスター。……てか大丈夫?志貴?」

「あぁ…俺まだやり残したことが……ってアルクェイド!?どうしておまえが!」

「うーん。偶然?」

「偶然でもなんでもいい。すまない。助かった。」

「この借りは倍返しでよろしくね〜♪」

「あぁ…考慮しておく…。ところでアルクェイド、アイツはなんなんだ?」

「私ですか?私はロウ。四元素を極めし者。フォースマスターです」

「…で、なんで俺を狙う?」

「いいえ、私が興味対象としているのは真祖です。厳密には真祖の能力でしょうか?混沌。アカジャの蛇この二つを消滅させたあなたにも興味はありますが、真祖の方が優先度が高いですので」

「へぇ…じゃぁ、やろうっていうのかしら?」

「はい。その通りです」

瞬間、あたりの空気が急に重くなる。
これは何度も味わったものだ。
アルクェイドがもつ最強の切り札。
空想具現化だ。
空想を具現化す能力で自然、世界の触覚である精霊が持つ能力。
自己の意志を世界と直結させて、世界を思い描くどおりの環境に変貌させる事ができる。

「…スイッチ」

ロウの目の前に鎖が現れ、それが大蛇のようにうねり目標を破壊しようとした瞬間。
景色が変わり、もう一つの鎖がアルクェイドの鎖を絡めとった。

「空想具現化!?」

「残念ながら少し違いますね。簡単に言えば、模造品ですか。私の固有結界でしてね。目視していて、理解できるなら私は能力をコピーできるのですよ。」

「ウソ!?空想具現化を理解できるなんて!そんなことがあるはずはないでしょう?」

「できますよ。この賢者の石があれば、ね。これは無限の知を供給してくれる最高の物ですので。例えあなたが世界と意志を直結していたとしても、私はそれを追うことができるのですよ」

「なら…これしかないわね…朱い月よ!」

周囲は、ひんやりとした空気になり朱に染まる。

「---崇めよ。恐れよ。讃えよ。畏怖せよ。祖は始まりの朱い月。」

「…いいですね…月落としですか…やはりあなたは最高です!」

朱い月が二つ。禍々しい二つの月が、俺のこの世界で見た最後の光景だった




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